2006/04/17

燃える昆虫軍団

燃える昆虫軍団(原題 BUG)という映画は1975年の動物パニック系ホラー映画。
「ティングラー」「血だらけの惨劇」を世に送りポランスキーの「ローズマリーの赤ちゃん」の製作でもお馴染みのウィリアム・キャッスル大先生の遺作にして名作。自分で脚本まで手がけてしまっているのだけど見事なまでに暴走して迷走しているすばらしいプロットです。

不思議なことにこの映画、前半と後半でまったく表情が変わっちゃう。
前半はそのまんま動物パニック映画。あるとき地震の影響で発火する太古の昆虫が地中より現れ、出火騒ぎが起こる。しかしそれを突き止めた博士がその昆虫を全滅させるのであった…。
しかしここで後半になるとなんだかヒーローだったはずの博士がおかしくなっていってしまう。一匹残しておいたその虫に研究意欲を持っちゃって、おもむろにゴキブリと交配させてしまう。成長したゴキ発火虫は知性を持ち、組織化された動きを見せて生みの親である博士に復讐、そして燃えさかる地割れの中に再び戻っていくのであった…。

…(-_-)
まあいいじゃない。この何だかな後半こそがこの映画をかなりクレージーな名作にしてるところで、何でゴキと交配させたら知性もつんだとかの説明が足りないとかそういうのはまあいいじゃない。そのくせどうでもいい説明はしっかりしてたりして、とてもすばらしい。
虫嫌いの人には顔にゴキブリくっつけて演技してるさまだけでも恐怖でしょうけど、こんなイカれた脚本はそうそう書けないのでそっちに注目してね。

ホラーオカルト界では私は2大ウィリアム、このウィリアム・キャッスルとウィリアム・ガードラー(「マニトゥ」傑作!)は大好きです。キワモノ飛び道具のキャッスルと正統派サスペンスオカルトのガードラー。対照的なこの二人ですが、そのイマジネーションの映像化はやはり悪夢。悪夢の実現を行う作品(数回前のブログも参照)はたまらないよ。
ちなみにこれを観て虫パニックが好きになってしまった人は「スクワーム」と「戦慄!昆虫パニック」をぜひご覧ください。きっとご満足いただけます。
20060417-bug1.jpg 20060417-bug3.jpg 20060417-bug2.jpg 自己主張する発火ゴキ。なんか健気。


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