SFが好きです。この映画は名作ながら映像化困難と言われていたディックの「暗闇のスキャナー」を ロトスコープ 技術で映画化したもの。
中学生の頃懐かしのサンリオSF文庫で原作は読んでましたが、そのストーリーを思い出しつつ映画を観ました。
アンフェタミン中毒者で何度も自殺未遂も起こしているディックならではのドラッグを題材にしたSFなのですが、さすがに経験者、救いようがない。
捜査官である主人公がおとり捜査のために薬物中毒になっていくのですが、他者からの認識を混乱させるスクランブル・スーツの着用もあいまって、自分で自分を捜査する過程で次第に自分を見失ってしまうのがこの物語のキモ。
何のために自分がそれをしているのかわからないまま、他者の意思とドラッグ「Substance D(物質D)」に操られ(しかもそれを自分が選択したこととされる)、その先には救いようのない結末だけ。大変な傑作ですが、最初は抵抗のあったロトスコープの効果もあわせて、なかなか観れる映画でした。
しかし個人的には全編ロトスコープじゃなくて、ポイントによっては実写のほうがより効果を出せたと思うのですが(特にラストシーン)、まあそういう映画なのであまりやいのやいの言わないほうがいいのでしょうね。
今原作読んだらその後の経験もあるので20数年前とはまったく違った読み方ができそう。
読んでみたい。
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