2009/08/07

博多記録 1日目

最初に断っておくが、1日目は博多には着かない。
24時間かけて九州に行こうという、中年とは思えない若々しいプロジェクトだからだ。
朝8:30東京駅八重洲口にて、高速バス(昼便)を待つ。普段ズボラなくせに旅行の時だけは妙に時間や予定に厳しいスカムポットは、もちろん15分前には到着。バスを待つ。
高速バスに乗る。大阪行きの高速バスに乗るのは実に18年ぶり。高校生の時に祖父祖母の家に一人行ったのが最後。あの時の記憶しかない私は、実は乗る前に肉体的な衰えなどもあり不安を感じていた。
しかし乗ってみるとその不安は解消。最近の高速バスは3列シートのものがある。隣の座席と20~60cmほど空いていて、また後席との間隔も広いのでリクライニングもかなり倒せる。これは寝れる。
前日深夜まで仕事をしていたので眠気は十分。首都高に乗るや否や朝食として、東京駅で買い込んでおいた昔懐かしカツサンドをほおばりビールで流し込む。ソースの味って男のコだよな。これで腹もくちくなって睡眠準備は万端。おやすみなさい。
10:30頃、最初の休憩地である足柄SAに到着。ここで起床。
SAを出るとさっそく競馬新聞を開く。そう今日は日曜日。新潟+札幌+小倉開催。携帯にヘッドホンをつないでラジオNIKKEIアプリ起動。新潟版の新聞に印をつけながら、実況放送を聴く。競馬があれば私は何時間でも過ごせる。
そうしているとバスの進みが遅くなった。どうやら東名で事故渋滞が起こっている模様。バスの後の予定も詰まっているのだが、余裕を持って早いバスにしたのでこの時点ではそれほど不安は感じていない。
13:00頃、腹も減ってきたのでまた東京駅で買っておいた早稲田本庄の古代豚弁当を開く。揺れるバスの中で写真を撮れず残念。米に甘辛タレで味付けしたやわらかい薄切り煮豚ロース。酎ハイを飲みながら食す。運転を任せた旅行はこうして酒が飲めるのがたまらない。
外は雨が降ったりやんだり。そうするうちに静岡県に入っていた。14:30頃二つ目の休憩所、浜松湖SAに到着。ここは上り下りが同じ施設を利用するシステム。目の前には浜松湖。
この時点で1時間ほど遅れているそうだ。まあこの後問題なければ想定の範囲内なのだが。
浜松湖SAを出て、競馬はメインレースへ向けて盛り上がる。その頃には三つ目の休憩所、甲南PAに。ここは忍者の里。空は晴れ渡り気持ちよい。まだ1時間の遅れ。少し安心する。
ここからがいけなかった。はくぼ開催の競馬が終わるころ、またバスがのろのろ運転に。どうやら新名神でまたも事故渋滞があった模様。このあたりから不安が募る。バス運転手のアナウンスによると2時間の遅れ。これは本当にマズイ。
心を落ち着けるために買い足した麦茶でのどを潤す。まさか二連発で事故渋滞にかち合ってしまうとは。
実は大阪でこの後フェリーに乗り継ぐ予定なのだが、あまりに遅れてしまうと乗船手続きに間に合わないかもしれないのだ。
渋滞はつきものなので、もともと運行時間には多少の渋滞は含まれているものの(休憩地で普通は調整)念のため3時間の余裕を見ていたのだが、この渋滞ですでにその3分の2を消化。これ以上遅れてはピンチ。
申し訳なさそうな口調の運転手さんのアナウンスを背に、大阪は梅田に到着したのは18:50。なんと2時間半もの遅れで、貯金はすっかり吐き出してしまった。お礼もそこそこに荷物を受け取って移動開始。
ここで判断を迫られる。梅田から南港フェリーターミナルまで、電車で行くと30~40分。これではあまりにもギリギリすぎる。乗船手続きを締め切られては元も子もない。確認のため歩きながら船会社に電話すると、15分前までなら大丈夫とのこと。しかし出船は19:50。乗り換えなどがミスればそれで終了。
一か八か、タクシーに託す。手を上げてタクシーに乗り込む…と、運転手さんはかなりの年配の方。「ああ、終わったか…」と思いつつも、南港フェリーターミナルを行き先に告げると「これからやったら19:50の船ちゃうん?」と運転手さん。「そうなんですわ。間に合いまっか?」関西弁はすぐにうつる。すると「そうか…ギリギリやな…上使てもええか?」とのことで「ぜひお願いします。」というと、年配の運転手さんが帽子をかぶりなおした(ような気がした)。すると背中にグッとGがかかる。「お?」と思うと華麗な運転技術で高速へ。高速に乗ってからは追い越し車線を絶妙かつ豪快、しかし法廷速度を守った美しい運転で次々と車を抜いていく。
「九州帰るんか?」「え、ええ実家にもどるんですわー」焦っているのと、年配の運転手さんの運転の急変に動揺していた私は、思わず話をあわせてしまった。しかしそりゃそうだ。わざわざ東京から大阪まで来てフェリーに乗る変わり者はそうそういない。
美しい大阪の港の夜景を横目に、わずか12分でタクシーはフェリーターミナルに到着した。運転手さん、本当にありがとう。いや、ホンマおおきに。
ギリギリとはいえ無事乗船手続きを終えた私は、意気揚々と船に。「船出まっせ!」と追い立てられながら、大きなフェリーのタラップを上って乗り込んだ。
おお。フェリーは東海汽船などで乗りなれているつもりだったが、これはすばらしい。レストランや売店も充実していて、まるでホテル。蝶ネクタイの乗員さんにチケットを渡すと、個室の鍵をもらう。さっそく1等個室ゾーンに向かって部屋に入ると、東京から11時間かけて何とか船に滑り込んだ私は思わず心の中で「ヤッター」と叫んだのだった。あのメガネの日本人ハリウッド俳優も驚く喜びようだ。
とにかく移動の間走りまくった私は汗だく。迷わず着替えを持ちシャワールームで汗を流す。
汗を流して楽な格好に着替えたら、今度は食事だ。レストランへ。レストランは食べたいメニューを注文したりすでにできているものを自由に取って清算するスタイル。刺身盛り+焼サバ+肉じゃが+焼鳥+ライス+生ビール。思わず注文しすぎた。
疲れていれば少し変色した刺身も、妙に甘いタレがベッタリの焼鳥も、発泡酒のように薄い生ビールもまさに甘露。あっという間に平らげる。
売店でビールとウイスキーにツマミと雑誌を買ったら窓のあるラウンジのソファへ。雑誌を読みながらビール3本にウイスキー小瓶。2時間も飲んでいたろうか、酔いも回って雑誌の同じページを何度も読んでしまう。部屋に帰ってテレビをつけ、歯を磨くと睡魔は最大に。23時くらいだったろうか、備え付けの浴衣に着替えてベッドに倒れこむ。船は細かく振動するが、疲れと酔いとであっという間に眠りに落ちた。おやすみなさい…。

~2日目につづく~
(2日目以降は写真をアップします。お楽しみに。)

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