2012/11/01

ものづくりの理想と現実

私のものづくり人としてどういうアプローチをしたいか、という話をしたとすると、
いかにもとりとめなく、いつまでも終わらないことでしょう。

しかしどんな意識でものを作りたいかという基準というか目標はあります。
それは例えれば、WGP(現MotoGP)のGP500クラスやF750世界選手権で
その特異なコンセプトを披露し続けた、elfプロジェクトです。

私はとりわけ大好きなロケット・ロンことロン・ハスラムが駆った1986年の elf-3 が好きでした。
もともとのelfプロジェクトのコンセプトは「フレームレス+片持ちサス」
エンジンブロックそのものの剛性を利用した低重心なボディと
片持ちサスの高メンテナンス性+安定したブレーキングなど、
他のオートバイを圧倒する斬新なものでした。(残念ながら elf-3 以降は細いながらフレームがつきましたが)

決して戦闘力は高くありませんでしたが、立派にレースに出場し(予選はNSR500で走ったりしてたもののw)
決して完走率も高くありませんでしたが、人々の心に残りました。
本田宗一郎氏もelfプロジェクトは高く評価して、その特許の多くはHONDAが取得したということです。

実用十分な機能はもちながら、他とは異なるものを作るというのは
度胸も決断力も必要ですが、なによりそれを支える経験もまた必要となります。
そんなものづくりをしたいのですが、これだけだと

「ああ、変わったものが作りたいんですね」

とだけ言われてしまいそう…。
そうじゃないんですよ。そうじゃないんだなぁ。

美しい…
ロン!
ロニー!!

それにしてもその造形美だけでもやばい elf-3。
WGP では elf-3 から elf-4、elf-5 まで続けられましたが、elf-4、5 はもう実用性に寄りすぎて違うんだよなぁ。
F750の elf-x や耐久の elf-e はよりかっこいいけど、今度は実用性が低すぎる。
にしても選んだパイロットがベテラン、ロケット・ロンってのもしびれる。

とはいえもう少し現実味は必要だろうな、とは思うのですけどね。

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